「売上は以前より増えているのに、なぜか利益が残らない」

「忙しい日は多いのに、手元にお金が残っている実感がない」

「在庫がなくなるたびに、近くのスーパーや酒屋へ買い足しに行っている」

飲食店を運営していると、このような状況になることがあります。

原因として真っ先に考えられるのは、食材価格の高騰や人件費、家賃などの固定費かもしれません。

しかし、実際に店舗の数字や現場を確認してみると、そもそも在庫と仕入れの状況を把握できていないことが、利益を圧迫しているケースがあります。

当社が支援する飲食店でも、仕入れ状況を整理したところ、あるソフトドリンクが数ヶ月間、通常の仕入れ先から発注されていないことが分かりました。

しかし、その商品は店舗で継続して販売されています。

では、商品はどこから補充されていたのでしょうか。

答えは、在庫がなくなるたびに近隣の小売店で買い足していたというものでした。

一度の買い足しは数百円、数千円かもしれません。

しかし、このような小さな例外対応が日常化すると、店舗の仕入れ状況は少しずつ見えなくなっていきます。

本記事では、飲食店の在庫管理ができていないと何が起きるのか、そして高額な在庫管理システムを導入する前に確認すべきポイントを解説します。

「在庫切れ」は問題の結果かもしれない

営業中にドリンクがなくなった。

食材が足りない。

慌ててスタッフがスーパーへ買いに行く。

飲食店では、珍しくない光景かもしれません。

もちろん、想定以上に商品が売れたことで一時的に在庫が不足することはあります。

イベントや繁忙期など、通常より来店客数が大幅に増えた場合は予測が難しいこともあるでしょう。

しかし、同じ商品を何度も買い足しているのであれば、「よく売れているから仕方がない」で終わらせるべきではありません。

在庫切れは、問題そのものではなく、

  • 発注数量が適切ではない
  • 発注タイミングが決まっていない
  • 在庫数を誰も確認していない
  • 発注担当者が曖昧
  • 売れ行きの変化が仕入れに反映されていない

といった、店舗運営上の問題が表面化した結果である可能性があります。

「またなくなったから買ってくる」

という対応を繰り返している限り、根本的な原因は解決しません。

スーパーでの買い足しが日常化すると仕入れが見えなくなる

不足した商品を近くのスーパーやコンビニで購入すること自体が、すべて悪いわけではありません。

急な団体客が来店した。

想定以上に特定の商品が売れた。

仕入れ先の配送トラブルがあった。

このような緊急時には、小売店での買い足しが必要になることもあります。

問題は、緊急対応だったはずの買い足しが通常業務になっている状態です。

例えば、通常の仕入れ先から1本100円で購入できる商品を、小売店で130円で購入していたとします。

差額は30円です。

10本なら300円。

一度だけなら、大きな問題には見えないかもしれません。

しかし、これを毎週繰り返せば年間では15,000円以上の差になります。

さらに問題なのは、価格差だけではありません。

通常の仕入れ請求書には商品名や数量、金額が記録されます。

一方、小売店で複数の商品をまとめて購入すると、店舗の商品別仕入れ状況を追いにくくなります。

結果として、

何を何本仕入れたのか分からない

どの商品がどれだけ売れているのか分からない

適正な発注数量が分からない

また在庫が切れる

再び買い足す

という悪循環が生まれます。

「売上だけ見ている店」は異常に気づきにくい

飲食店では、日々の売上を確認している店舗は多いと思います。

「今日は10万円売れた」

「今月は先月より売上が増えた」

売上はもちろん重要です。

しかし、売上だけでは店舗の状態は分かりません。

例えば、月商が100万円から120万円へ増えたとします。

数字だけを見ると20%の成長です。

しかし、その裏側で、

  • 緊急の買い足しが増えている
  • 廃棄が増えている
  • 発注数量が過剰になっている
  • 原価の高い商品ばかり売れている
  • 値上がりした仕入れ価格を売価へ反映できていない

という状態であれば、売上が増えても利益は思ったほど残りません。

「売れている」と「儲かっている」は別です。

特に繁盛している店舗ほど、営業中は目の前のお客様への対応が優先されます。

その結果、細かな買い足しや仕入れの異常が見過ごされることがあります。

忙しいから在庫管理ができない。

在庫管理ができないから欠品する。

欠品するから営業中に買い足す。

そして、さらに忙しくなる。

この状態から抜け出す必要があります。

在庫管理システムを入れる前に3ヶ月分の請求書を見る

「在庫管理が必要」と聞くと、高価なPOSシステムや在庫管理ツールの導入を考える方もいるかもしれません。

もちろん、店舗規模や業態によってはシステム導入が有効です。

しかし、小規模な飲食店であれば、まず直近3ヶ月程度の仕入れ請求書を並べて確認することをおすすめします。

難しい分析をする必要はありません。

まずは商品ごとに、

  • いつ仕入れたか
  • 何個仕入れたか
  • 前回の仕入れから何日空いているか
  • 仕入れ数量が急に増減していないか
  • 数ヶ月間発注されていない商品はないか

を確認します。

当社が支援する店舗でも、この方法で請求書を確認したところ、店舗で販売を続けているにもかかわらず、数ヶ月間通常の仕入れ履歴がない商品が見つかりました。

販売しているのに仕入れていない。

この時点で、何かがおかしいと分かります。

確認すると、在庫がなくなるたびに小売店で買い足していました。

高度な在庫管理システムがなくても、請求書を時系列で並べるだけで店舗の異常が見えることがあります。

すべての商品を1個単位で管理する必要はない

ここで、

「毎日すべての食材やドリンクを数えるのは無理」

と思う方もいるでしょう。

実際、小規模な飲食店ですべての商品を1個単位、1ml単位で管理するのは現実的ではない場合があります。

管理作業が増えすぎれば、現場の負担になります。

重要なのは、管理すること自体を目的にしないことです。

例えば、最初は次のような商品だけでも構いません。

  • よく欠品する商品
  • 売上構成の大きい商品
  • 原価が高い商品
  • 小売店で頻繁に買い足している商品
  • 仕入れ数量の変動が大きい商品

まず「問題が起きている商品」を絞ります。

例えばソフトドリンクが頻繁になくなるのであれば、すべての食材を棚卸しする前に、ソフトドリンクの発注状況を確認します。

瓶ビールを何度も買い足しているのであれば、瓶ビールの仕入れ間隔を見る。

問題が見えている場所から確認する方が、改善につながりやすい場合があります。

発注担当者が決まっていても在庫管理できているとは限らない

「うちは店長が発注しています」

それだけで安心はできません。

重要なのは、何を基準に発注しているかです。

例えば、

「少なくなった気がしたら発注する」

「冷蔵庫を見て判断する」

「営業中になくなったら次回多めに頼む」

という発注方法では、担当者の感覚に依存します。

経験豊富な店主であれば、ある程度正確に判断できることもあります。

しかし、繁忙期やイベント、季節の変化によって売れ方は変わります。

また、スタッフが増えれば「誰かが確認していると思っていた」という状態も起こります。

最低限、

誰が確認するのか

いつ確認するのか

どの状態になったら発注するのか

の3点は決めておくべきです。

例えば、

「毎週火曜日と金曜日に確認する」

「残り2ケースになったら発注する」

「確認者と発注者を同じ人にする」

といった簡単なルールでも構いません。

曖昧な運用を減らすことが重要です。

発注量は「先月と同じ」では決められない

飲食店の売れ行きは一定ではありません。

気温。

曜日。

天候。

イベント。

季節。

価格改定。

SNSでの話題。

さまざまな要因で商品の売れ方は変わります。

例えば、夏場になればソフトドリンクやサワー類の販売が増える店舗もあるでしょう。

イベントを開催すれば、通常営業とは異なる商品が多く売れる可能性があります。

それにもかかわらず、

「いつも1ケースだから今回も1ケース」

という発注を続ければ、欠品が発生します。

逆に、イベント時の販売数量を基準に通常営業の仕入れをすると、過剰在庫になる可能性があります。

だからこそ、発注数量は固定するのではなく、店舗の変化に合わせて見直す必要があります。

完璧な需要予測をする必要はありません。

「最近、この商品を何度も買い足している」

「以前より発注間隔が短くなった」

このような小さな変化に気づくだけでも、発注数量を見直すきっかけになります。

在庫管理は「数えること」ではなく「異常に気づくこと」

在庫管理という言葉を聞くと、

毎日在庫を数える。

Excelへ入力する。

棚卸表を作る。

という作業をイメージするかもしれません。

しかし、飲食店の在庫管理で重要なのは、異常に気づける状態を作ることです。

例えば、

「この商品、今月3回もスーパーで買っていないか?」

「先月より仕入れ金額が大きく増えていないか?」

「販売しているのに請求書に商品名がないのはなぜか?」

「毎週同じ商品が欠品していないか?」

このような違和感を見つけることです。

在庫管理表を完璧に作っていても、誰も数字を見ていなければ意味がありません。

逆に、簡単な請求書の確認でも、異常に気づいて改善できれば店舗運営は変わります。

管理の目的は、きれいな表を作ることではありません。

利益を守り、営業中の無駄な対応を減らすことです。

在庫切れは接客や売上にも影響する

在庫管理の問題は、原価だけではありません。

営業中に商品がなくなれば、スタッフが買い出しに行く必要があります。

その間、店舗の人数が一人減ります。

注文対応が遅れる。

料理やドリンクの提供が遅れる。

お客様への案内が遅れる。

残ったスタッフの負担が増える。

小さな在庫切れが、店舗全体のオペレーションへ影響する可能性があります。

また、お客様が注文した商品に対して、

「すみません、今日は売り切れです」

という状況が何度も続けば、機会損失にもなります。

在庫管理はバックヤードだけの問題ではありません。

接客品質や売上にも関係する店舗運営の問題です。

飲食店の数字は現場と一緒に見る

売上表だけを見る。

原価率だけを見る。

SNSのフォロワー数だけを見る。

それだけでは、店舗の本当の課題が見えないことがあります。

例えば、仕入れ金額が増えている理由が、

「売上が増えたから」

なのか、

「仕入れ価格が上がったから」

なのか、

「過剰発注しているから」

なのか、

「小売店での買い足しが増えているから」

なのか。

数字だけを見ても分からない場合があります。

だからこそ、請求書と現場の動きを一緒に確認することが重要です。

Grooverでは、飲食店のSNS集客や広告だけではなく、価格設定、仕入れ、在庫、店舗オペレーションなど、実際の店舗運営を確認しながら改善をご提案しています。

集客を増やしても、店舗運営に問題があれば利益は残りません。

むしろ、来店客数が増えたことで現場の問題が大きくなることもあります。

「お客様を増やすこと」と「利益が残る店舗を作ること」は、セットで考える必要があります。

まとめ

飲食店で、

「売れているのに利益が残らない」

「同じ商品を何度も買い足している」

「何がどれだけ売れているのか分からない」

という状態になっている場合、在庫と仕入れの状況を一度確認する必要があります。

最初から高価な在庫管理システムを導入する必要はありません。

まずは、直近3ヶ月分の仕入れ請求書を並べてみてください。

販売しているのに数ヶ月間発注されていない商品はないか。

同じ商品を何度も小売店で買い足していないか。

仕入れ間隔が急に短くなった商品はないか。

そこに、店舗の問題を見つけるヒントがあるかもしれません。

在庫管理は、すべての商品を完璧に数えることではありません。

店舗の異常に気づき、無駄を減らし、利益を守るための仕組みです。

Grooverでは、飲食店の集客支援だけでなく、店舗の数字や実際のオペレーションを確認しながら、課題の整理と改善をご支援しています。

「売上はあるのに利益が残らない」

「店舗運営のどこに問題があるのか分からない」

「SNSや広告だけではなく、店舗全体を見てほしい」

そのような飲食店様は、お気軽にご相談ください。

飲食店の店舗運営・集客改善のご相談はGrooverへ

飲食店の課題は、SNSだけで解決できるとは限りません。

仕入れ、価格設定、在庫管理、接客、店舗オペレーション、広告。

それぞれの問題がつながっている場合があります。

Grooverでは、実際の店舗運営を確認しながら、集客と店舗改善の両面からサポートしています。

「何が問題なのか分からない」という段階でも構いません。

まずはお気軽にお問い合わせください。